接続設定

BIMcloudは、設定と異なるコンポーネント間との接続を確立するためのフレキシブルな方法を提供しています。BIMcloudコンポーネントの識別と、アクセスに使用されるアドレスの管理が別々になりました。これにより、ユーザーは同じサーバーにアクセスするためにそれぞれ異なるアドレスを使用でき、内部プロジェクトのリンクを保持できます(別のアドレスを使用して追加された場合も含む)。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/bimcloud-help/30_bimcloudmanager/ConnectionDetail1.png 

事前に全ての可能な接続のためにサーバーを準備し、異なるアドレスを一元管理することが可能です。サーバー管理者が全ての設定をするので、ARCHICADユーザーは接続で戸惑うことはありません。事前にサーバー上で詳細設定が行われていない場合、ユーザーは代替アドレスを追加し、カスタムアドレスを使用して接続することができます。

条件

プライマリアドレス:これはBIMcloudをインストールしたユーザーによって設定されたサーバーの固有のIDになります。

代替アドレス:サーバーで事前に定義された代替アドレスで、サーバーに同様にアクセスできます。

ローカルアドレス:ARCHICAD上でユーザーが入力した代替アドレスになります。

自動アドレス:このアドレスはアクティブなアドレスをベースに自動的に生成されます。

フォールバック:ARCHICADがBIMcloud Serverと通信ができない場合、BIMcloud Managerを介してブリッジ接続を行います。

検索順序:使用可能なアドレスの優先度順の一覧。ARCHICADは有効なアドレスを一覧から選択します。

有効アドレス:現在BIMcloud Managerの接続に、ARCHICADで使用されているアドレス。

自動/手動アドレス選択:ARCHICADが有効アドレスを選択する方法。

プライマリアドレス

これはBIMcloudをインストールしたユーザーによって設定されたサーバーの固有のIDになります。各BIMcloudコンポーネントには、プライマリアドレスが1つ存在します。

現在異なるアドレスを使用して通信している場合でも、ARCHICADはこのアドレスを使用してサーバーを識別します。このアドレスはサーバーに参照先を設定するときにも使用されます(例:チームワークプロジェクトからホットリンクモジュールを配置)。

ARCHICADが認識されていない、BIMcloudの参照を含むプロジェクトを開くと、サーバーを見つけるために、ホットリンク参照に保存されているプライマリアドレスを使用します:

アドレスが有効な場合、ARCHICADは全ての代替アドレスをダウンロードし、優先度に応じた最適なアドレスを選択します。

アドレスが無効な場合、新しいサーバーのアドレス入力するように求めらます。有効なアドレスが入力されると、事前に定義された優先度に応じた、代替アドレスの一覧をダウンロードします。

BIMcloudコンポーネントの設定パネルのプライマリアドレスを設定してください。

BIMcloudのプライマリアドレスを変更しないことをお勧めします。変更する必要がある場合は、古いプライマリアドレスを代替アドレスの一覧に追加することをお勧めします(機能していない場合においても)。こうすることで、ARCHICADが古いプライマリアドレスで置かれたリンクを特定し、プロジェクトの中で参照を維持できるようになります。

代替アドレス

ARCHICAD代替アドレス一覧。特定の順序で一覧のアドレスを確認し(「検索順序」を参照)、そして最初に接続が確立したアドレスでサーバーに接続します。

BIMcloud Managerでサーバーコンポーネントごとに代替アドレスを事前に設定できます。

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自動アドレス

自動アドレスはBIMcloud Serverで使用できます。自動アドレスは絶対アドレスではなく、相対アドレスになります。使用されているBIMcloud Managerアドレスを基に動的に生成することができます。例 :

ARCHICADは http://server-computer:1228 を使用しててサーバーに接続します

自動アドレス:$protocol://$host:1229

ARCHICADは自動的にhttp://server-computer:1229を使用してサーバーに接続します。

ユーザーは自宅から異なるアドレスを使用し、インターネット経由でサーバーに接続します:
https://bimcloud.company.com:1228

ARCHICADは自動的にhttps://bimcloud.company.com:1229を使用してサーバーに接続します。

自動アドレスの生成のために、2つの自動フィールドがあります:

‘$protocol’:URLのプロトコルの部分、上記の例では "http"および"https"にあたります。

‘$host’:URLのプロトコルとポート番号を除いたアドレスの部分。上記の例では、「server-computer」と「bimcloud.company.com」になります

フォールバック

ARCHICADがBIMcloud Serverにダイレクトに通信はできませんが、BIMcloud Managerにはアクセスが可能な場合、BIMcloud ManagerはBIMcloud Serverへの「ブリッジ」として利用され、全ての通信がManagerを介して行われます (ブリッジ接続で通信が行われる場合、コンポーネントの位置に応じて、BIMcloudの全体的なパフォーマンスに影響を与える可能性がありますので、ご注意ください)。

社外よりBIMcloudにアクセスしてる場合、フォールバック通信は良い選択肢と言えます。理由としては、IT管理者が企業のファイアウォールを開けるポートが1つで済むことになるからです。

検索順序

ARCHICADがBIMcloudに接続を試みると、特定の順序でアドレスを選びます。この順序は、BIMcloud Managerで設定できます。ARCHICADのからローカルに追加された代替アドレスは、常に検索順序の最後になります。

自動/手動アドレス選択

ARCHICADが自動的に選択したアドレスを上書きすることも可能で、 代わりに特定のアドレスの使用を強制することも可能です。ARCHICADのネットワーク診断ツールを使用し、自動選択されたアドレスを上書きしてください。手動でアドレスを選択すると、動作しているアドレスや代替アドレスがあるにもかかわらず、ARCHICADを強制的にオフラインの状態にする可能性がありますので、ご注意ください。

接続処理

ARCHICADがBIMcloudに接続するには次の順序で行われます。

新しいBIMcloud Serverを追加する場合

サーバーリストに新規のサーバーを追加すると、ARCHICADはアドレス、ユーザー名とパスワードの入力を求めます。

ARCHICADは入力されたアドレスを使用してBIMcloud Managerに接続します:

この新しいサーバーの一意識別子としてプライマリアドレスをダウンロードおよび保存

代替アドレス一覧と検索順序をダウンロード

自動的に検索順序に基づいて、最も適切なアドレスを選択

現在オフライン状態のサーバーに再接続する場合

ARCHICADは選択されたサーバーがオフラインであることを検出すると、ユーザーはネットワーク診断ツールを起動し、サーバーの代替アドレスを入力することができます。ARCHICADはこの代替アドレスを記憶し、サーバーへの接続時に検索順序の1つとして利用されます。

ホットリンクモジュールまたはライブラリから参照されている不明なサーバーに接続する場合

ホットリンクモジュールとリンクされたライブラリが参照で、他のプライマリアドレスを含む場合。ARCHICADが自身の状態を確認するときには、サーバーの識別には、このプライマリアドレスを使用します。

ARCHICADにより、このサーバーが既に認識されている場合(サーバー一覧にある)、通常の接続処理を行い、自動的に最適なアドレスを取得します。

このサーバーが認識されていなく、保存されたプライマリアドレスが機能している場合、自動的に接続情報をダウンロードして、自動的に最適なアドレスを取得します。

このサーバーが認識されていなく、リンクも無効な場合、ユーザーはサーバーの代替アドレス入力するように求めらます。有効なアドレスが入力されると、自動的に接続情報をダウンロードして、自動的に最適なアドレスを取得します。

ベストプラクティス

BIMcloudに複数の代替アドレスを設定することで、次の利点があります:

ARCHICADユーザーはBIMcloudへの接続で戸惑うことはありません、サーバー管理者が全ての設定を行います

接続は常に最適の状態です

コンポーネント間のダイレクト接続が常に最も効果的な方法になります。余分なルーティングや処理は転送時間の増加に繋がります:

httpプロキシサーバー:データは常に共通のサーバーを介してトンネリングして、関連するコンポーネントに転送されます

httpsセキュリティ:データは常にエンコード、デコードされます

フォールバック通信:データはBIMcloud Managerを介してトンネリングされます

アドレスと検索順序を設定するためのベストプラクティスは、通信の最も効果的な方法を見出し、次に効果が少ないものを追加することです:

1.IPアドレスでダイレクト接続:http://192.168.1.101:1228

2.コンピュータ名でダイレクト接続:http://server-computer:1228

3.完全修飾アドレスで接続:http://bimcloud.company.com:1228

4.安全な接続で接続:https://bimcloud.company.com:1228

ARCHICADは自動的に場所に応じて、上記のリストから次のアドレスを選択します:

コンピュータは同じLAN環境にあるため、オフィスからは#1または#2を選択します。

2つのLAN環境の接続に応じて、支店からは#1、#2、#3のどれかを選択します。

単純なインターネット接続の場合、リモートからは常に#4を選択します。非効果的な方法ですが、自動的に最高レベルのセキュリティを提供します。

トラブルシューティング

ARCHICADのネットワーク診断ツールを使用して、検出および接続に関連するエラーを修復してください。

[ネットワーク診断]にはユーザーが選択したARCHICADインターフェイス、およびサーバーにログインしたARCHICADインターフェイスのあらゆる部分から、さらにチームワークパレットや作業環境設定の[ネットワークとアップデート]ページ(BIMcloudでDelta Cache Serverをインストールした場合)からもアクセスすることができます。

詳しくは、ARCHICADリファレンスガイドのコラボレーションの章、「ネットワーク診断ツール」をご覧ください。