スフィリカルカメラ(CineRender)

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この機能を使用すると、360°ビューでレンダリングを作成できます。作成された画像は、YouTube、Facebook、Twitterなど、さまざまなメディアでナビゲート可能なパノラマ画像として表示できます。

はじめに

バーチャルリアリティアプリケーション(VR)の増加に伴い、このための画像素材を作成する新しい方法が必要になってきました。スフィリカルカメラ設定は、360°ビューでシーンをレンダリングします。レンダリングされたシーンはVRヘッドセットやYouTube360°動画で表示できます。

注記:立体視レンダリングも可能です。「 ステレオレンダリング(CineRender)」も参照してください。

スフィリカルカメラはVRに限るものではありません。シーンの単なる全方位ビューであるHDR画像のレンダリングにも使用できます。

CineRenderは2次元画像をレンダリングするため、全方位ビューを矩形のビットマップに収まるように変形する必要があります。このために、CineRenderには最も重要な投影タイプが用意されています。

結果のビューは、HDRIに似た球面パースになります。レンダリングされた画像には、正距円筒図法またはドームのいずれかの視野(FOV)タグが割り当てられます。これらのタグが特定の画像処理エンジン(YouTube、Facebook、QuickTimeビューワーなどに組み込み)によって認識され、パノラマが生成されます。

注記:YouTubeへのアップロードの詳細については、https://support.google.com/youtube/answer/6178631を参照してください。

カメラのセットアップ

カメラは目の高さまたは目の高さに近い位置に配置する必要があります。多くの場合、カメラレベルをビュー方向に位置付け、開始位置からのビューの角度がニュートラルになるように、回転せずに(傾斜角は0)ビューを設定すると便利です。

投影はレンダリングに対してのみ有効で、3Dウィンドウには表示されないことに注意してください。

出力のレンダリング

画像サイズが出力に適していることを確認してください。ビットマップの作成にはシーン全体(通常のカメラビューだけでなく)が使用されるため、画像解像度は通常使用する解像度よりも高くする必要があります。単一画像の参照として以下の形式を使用する必要があります (ステレオレンダリングを使用する場合は、 使用する立体視レイアウトに応じて、各サイドを2倍にする必要があります)。

緯度経度:2:1、例:2000x1000、4000x2000

キューブマップ(クロス):4:3、例:2000:2667、4000x3000

キューブマップ(3x2):3:2、例:2000x1333、4000x2667

キューブマップ(1列):6:1、例:2000x333、4000x667

スフィリカルカメラ設定

スフィリカルカメラの有効化

レンダリングの設定で[スフィリカルカメラ]ボックスをオンにします。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-24/132_cinerenderdetailed/SphericalCamera.png 

FOVヘルパー

この設定を使用して、カメラから見えるシーン部分を定義します。

[正距円筒図法]:カメラ周囲の球面環境全体。

注記:YouTubeの場合、FOVセットを使用して正距円筒図法に、およびマッピングセットを使用して緯度経度にビューをレンダリングする必要があります。

[ドーム]:カメラの環境の上半球のみが含まれます(下半分は黒にレンダリングされます)。最小/最大設定を使用して視野をさらに制限する場合、これがFOVによって表示されます。

マッピング

カメラ周囲のシーンを想像する場合、環境全体を矩形ビットマップに投影する必要があります。以下のマッピングオプションからその方法を選択して定義します。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-24/132_cinerenderdetailed/SphericalMappingSettings.png 

[緯度経度]:正距円筒図法または緯度/経度とも呼ばれます。「テクスチャ」は円筒状に剥がされます。これは歪みのない「赤道」と極に向かって歪みが増す世界地図の設計方法と同様です。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-24/132_cinerenderdetailed/NormalIllus.png 

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-24/132_cinerenderdetailed/MappingIllus.png 

各種立方体投影タイプ:下の画像に示すように、環境は全てのオブジェクト軸に沿ってカメラを通じて描画されます。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-24/132_cinerenderdetailed/SphericalMapping.png 

スフィリカルカメラを立方体の中心に配置し、 各マッピングタイプを使用してレンダリングしたものです。

ニーズに最適なマッピングタイプは、レンダリングのその後の使用方法によって異なります。画像を編集するソフトウェアに応じて選択を行ってください。最も一般的に使用される方法は緯度経度で、これはHDRIや球面投影用のシーンの描画を作成する場合にも使用できます。

フレームに合わせる

緯度経度の最小/最大を使用してFOVをさらに制限する場合(下のオプションを参照)、レンダリングする領域がビットマップ全体に広がるようにストレッチされます。このオプションを無効にすると、FOVはビットマップの一部のみに表示され、残りは単色で描画されます。

全天周を使う

FOVが正距円筒図法に設定されている場合、[全天周を使う]をチェックすると全方位ビュー全体が使用されます。チェックしない場合、以下の設定に従って一部のみが使用されます。

経度最小[-180~180°]

経度最大[-180~180°]

緯度最小[-90~90°]

経度最大[-90~90°]

これらの設定を使用して、X軸(緯度最小/最大)または赤道(経度最小/最大)からのFOVを制限します。

緯度

FOVがドームに設定されている場合、緯度設定を使用してドームセクションを球面要素として定義できます。