サンプル(CineRenderグローバルイルミネーション)

注記: ARCHICAD 23 レギュラー版のみ

この設定はオプションのグローバルイルミネーション効果であり、CineRenderエンジンの[レンダリングの設定]の詳細ビューで使用できます。

サンプリングの設定は、GIサンプリングにのみ影響を与えます。つまり、環境から光を集束するために、送信するサンプル数とその送信場所にのみ影響を与えます。サンプルはシェーディングポイントから半球状に送信されます(「プライマリサンプラー」とも呼ばれます)。

サンプリングの設定は、プライマリの方式がQMCおよびIRの場合のGIサンプリングに影響を与えます(この設定をセカンダリの方式でも使用する場合は、ここで定義する値のごく一部が使用されます)。

以下は、GIモードがQMCの場合の画像です。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//Sampling1.png 

上記の3つの画像について説明します。

左側(離散エリアサンプリングおよび離散空サンプリングは無効):最初の接点で複数のサンプルが半球方向に送出されています(これは半球状サンプリングオプションと同じ機能です)。

中央(離散エリアサンプリングは有効、離散空サンプリングは無効):半球状サンプリングに加え、複数のサンプルがポータルおよび(ポリゴンの)ライトの方向にも送出されています。

右側(離散エリアサンプリングおよび離散空サンプリングは有効):半球状サンプリングとエリアライトサンプリングに加え、追加のサンプルが空の方向に送出されています。

後述のサンプリングの設定は、主に球体1でサンプルを作成するかどうか、および作成する場合はそのサンプル数を定義します。

以下の画像では、エリアライトが部屋の後部に配置されています。右側の壁にある窓は、HDRIが割り当てられた天空オブジェクトの方向を向いています(強い影がレンダリングされます)。プロジェクトには、その他の光源は配置されていません。画像はプライマリの方式にQMCを使用してレンダリングされています(イラディアンスキャッシュ方式を使用すると、画像が粗くなる代わりにスポットが生じます)。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//Sampling2.png 

左側(離散エリアサンプリングおよび離散空サンプリングは無効):このプロジェクトには適していないオプションです。画像自体が非常に粗くなります(ランダムなサンプルがエリアライトに当たるため)。影はさらに粗くなります。(HDRI)空の太陽光に当たるランダムなサンプルの数が非常に少なくなり、明るい点も表示されます。

中央(離散エリアサンプリングは有効、離散空サンプリングは無効):追加のサンプルがエリアライトに送出されるため、全体的な粗さが大幅に低減されています(カメラに表示される各点が分析され、非常に明確な影が生成されます)。

右側(離散エリアサンプリングおよび離散空サンプリングは有効):半球状サンプリングとエリアライトサンプリングに加え、追加のサンプルが空の方向に送出されています。これにより、カメラに表示される各点が空の影響(残りのプロジェクト要素への影響を含む)を考慮して正確に分析されるため、明るい点がなくなります。

通常、離散エリアサンプリングは有効のままにしておきます。これを無効にするのは、いずれかのサンプリングモードを故意に無視するような特殊な場合のみです。プロジェクトにエリアライトおよび空が存在しない場合、レンダリング時間の差は顕著になります。

以下の設定の説明は、プライマリの方式にQMCを使用する場合に適用されます。また、サンプリングがピクセル単位ではなくシェーディングポイント単位で行われる点を除き、IR方式の場合にも当てはまります。

ストキャスティックサンプル

[品質]:次の2つの方法でサンプル数を定義します。

各品質設定(低、中、高、精度)で制御される自動算定を使用します。

[サンプルカウント]設定で定義する一定数のサンプルを使用します。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//StochasticSamples.png 

[カスタムサンプルカウント]を使用すると、[サンプルカウント]の値を手動で定義できます。

[カスタム精度]を使用すると、[精度]の値を手動で定義できます。

[精度]:最適なサンプルカウントを定義します。最適なカウントは、プロジェクト(およびIR GIモードでは、その他のイラディアンスキャッシュの設定)および定義する[精度]値に応じて異なります。

[サンプルカウント]:使用する一定数のサンプルを定義します。値を高くすると、それに応じてレンダリング品質が向上します(QMCでは画像の鮮明度が向上し、IRではスポットの数が減少します)。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//SampleCount.png 

(左から右に)[サンプルカウント]を増加させた場合

カスタムカウントを定義しない場合、このレンダリングのサンプルカウントは離散エリアサンプリングと離散空エリアサンプリングでも使用されます(下記を参照)。

GIエリアを個別サンプリング

これを有効にするには、[GIエリアを個別サンプリング]をチェックします。

このサンプリングタイプを使用するには、表面の輝度チャンネルで[GIエリアライト]オプションを有効にする必要があります。

照明(CineRender材質チャンネル)」を参照してください。

このサンプリング方式では、追加のサンプルを(ポリゴン)エリアライトに送信します。これによりエリアライトが不均等に強調されます。これはGIの品質に大きな効果をもたらします。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//DiscreteAreaSampling.png 

左側:離散エリアサンプリングが無効、右側:離散エリアサンプリングが有効

このオプションを無効にしても、GIの計算からエリアライトは省略されません。エリアライトは、特に注目を集めるものではなく、半球サンプリングにランダムに当たります(それに応じて結果が不鮮明になります)。

[全ピクセルでサンプル]:このオプションはプライマリの方式がIRの場合にのみ効果を発揮します。通常、イラディアンスキャッシュを作成すると、キャッシュには全ての光が考慮されます。ただし、非常に小さく明るいエリアライトの場合、これは機能しません。結果として、むらのある画像が生成されます。[全ピクセルでサンプル]オプションを有効にすると、エリアライトの計算がキャッシュから分離され、ピクセル(オブジェクト表面、ただし背景や天空などを除く)ごとに個別に計算されます(QMC方式のデフォルトの動作)。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//ForcePerPixel.png 

左側:[全ピクセルでサンプル]が無効、右側:[全ピクセルでサンプル]が有効

カスタムカウント/サンプルカウント

これらのフィールドでは、カスタムサンプルカウントを定義します。[カスタムカウント]を無効にすると、[ストキャスティックサンプル]で定義した値と同数のサンプルが使用されます。

空/スカイを個別サンプリング

これを有効にするには、[空/スカイを個別サンプリング]をチェックします。

このサンプリングモードでは、特に天空を考慮します(Physical Sky、HDRI Skyなど)。

天空マップはレンダリング時に内部で計算され、レンダリング時に最も明るい領域を中心として、追加作成されたサンプルを集中させます。これは、十分なコントラストを持つHDRIテクスチャが、局所的に非常に明るい領域に影を投影できることを意味します。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//DiscreteSkySampling.png 

唯一の照明源は天空オブジェクトのHDRIテクスチャです。
影が比較的強くなります(左側はオプションを無効にした場合)。

このオプションを無効にしても、GIの計算から天空は省略されません。天空は、特に注目を集めるものではなく、半球サンプリングにランダムに当たります(非常に明るい太陽光により画像が不鮮明になります)。

[全ピクセルでサンプル]:このオプションはプライマリの方式がIRの場合にのみ効果を発揮します。イラディアンスキャッシュを作成すると、通常、天空はサンプリングされ、キャッシュで考慮されます。明るい領域(太陽光)または表面積が小さい領域では、この方式に制約が生じ、むらのあるレンダリングが生成されます。

[全ピクセルでサンプル]オプションを有効にすると、天空が放射する光の計算がキャッシュから分離され、該当するピクセル(オブジェクト表面、ただし背景や天空などを除く)ごとに個別に計算されます。これは、QMC方式ではデフォルトの動作です。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//ForcePerPixel2.png 

HDRIテクスチャを適用した天空オブジェクトが窓の背後に配置されています。
左側:[全ピクセルでサンプル]が無効、右側:[全ピクセルでサンプル]が有効

カスタムカウント/サンプルカウント

これらのフィールドでは、カスタムサンプルカウントを定義します。[カスタムカウント]を無効にすると、[ストキャスティックサンプル]で定義した値と同数のサンプルが使用されます。