スケッチ

[レンダリング設定]ダイアログボックス([ドキュメント]→[レンダリング]→[レンダリング設定])の[エンジン]ドロップダウンメニューから[スケッチ]を選択します。

[スケッチ]:スケッチラインで模写した手書き風のレンダリングを生成するエンジンです。さまざまなフリーハンドエフェクトを使用する、プロジェクトの初期段階でのドラフトビューに最適です。このようなエフェクトには、フェルトペン、鉛筆、グラファイト、マーカーなどがあります。スケッチレンダリングに使用されるファイルは、[ARCHICAD]フォルダにある[Add-Ons]フォルダに保管されています。[SketchTextures]サブフォルダ内には、線のテクスチャファイルだけでなく、SketchPreset.txtという名前の定義済みのスタイルファイルがあります。これは、[SketchTextures]内の別々のサブフォルダ内に保管されています。

下の図は、同じ建物を2つの異なるスケッチシーンでレンダリングしたものです。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//Sketch_rendering_example1.PNG   https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//Sketch_rendering_example2.PNG

スケッチの[基本設定]パネル

[シーン]:スケッチシーンにアクセスするには、ドロップダウンをクリックします。

https://helpcenter.graphisoft.com/jp/wp-content/uploads/sites/3/archicad-23-solo-reference-guide//SketchSelectManage.png 

スケッチレンダリングエンジンでは、あらかじめ設定されたパラメータ値を持つ多数のデフォルトシーンが提供されます。このデフォルト設定を指定変更すると、シーンの名前が[カスタム]に変わります。

[線のスタイル]:それぞれの線のタイプを、画像ファイルを使用した専用フォルダで示します。この設定は、グラフィック装置を使用したスクリプトのスキャンと同様に拡張できます。最良のスケッチ効果を得るには、さまざまな線の長さをスキャンすることをお勧めします。なぜなら、プログラムはレンダリングで線を再作成する際にスタイルをランダムに選択するためです。

[線のカラー]:

[カスタム]:白黒画像に任意のカラーを選択できます。デフォルトでは、従来の黒、青、褐色が提供されます。

[現在の要素の設定]:この場合、線のカラーは個々のモデル要素のペンカラーによって異なります。カラー画像はこのようにして生成されますが、ペンカラーを念入りに調整する必要があります。

[線のスタイルと同じ]:最も自然なエフェクトを得るために、線のカラーをスキャンの元のカラー(グラファイトペンシル、黒のアートペンインク、セピアとpeine gris aquarelles、カルミン)で決定できます。

[3Dベクトルハッチングを表示]チェックボックスをオンにすると、ハッチ線 (例えばレンガやタイルの輪郭線) がレンダリング画像で描かれます。ハッチ線のプロパティは、この下の[ハッチ線の設定]パネルの設定で制御できます。

[ベクトルシャドウを表示]チェックボックスをオンにすると、レンダリング画像には、太陽の影を表すシェーディングされた領域が含まれます。シェーディング線の特性は、[シャドウ線の設定]パネルで設定できます。

スケッチの[拡張機能]パネル

[アンチエイリアス]:スキャンから必要な長さよりも長い線を選択することで、線を平滑化します。テクスチャ線種(ブラシ、チョークなど)の場合、この値を低く(2以下)維持することをお勧めします。値が高くなると、レンダリング速度が落ちるからです。

[エアーパース]:霞み効果と似ていますが、ビューポイントまで線を薄くします。このエフェクトは通常は手動スケッチでは生成しませんが、大まかなワックススケッチに光源エアーパースを使用すると有用な拡張機能となり、ブラシスキャンを使用すると特にナチュラルに表現できます。

[用紙の粗さ]は、実際の「粗い用紙」のスキャンの粗さの効果をシミュレーションします。通常、紙の粗さはレンダリングエンジンによってランダムに生成されますが、最良の結果を得るためには、紙の粗さ用に定義済みのアルファチャンネルを持った背景画像を使用するのが賢明です (「ARCHICAD Library /[BIng]背景画像/壁紙」フォルダにいくつか背景画像が用意されています)。このような背景画像を使用する場合は、[背景アルファチャンネルを使用]チェックボックスをオンにします。

スケッチエンジンは紙の粗さを検出して、[紙の粗さ]スライダの設定に従ってこの領域のスケッチ線を薄くするか消去します。この設定は、背景画像がアルファチャンネルでスキャンされていない場合は無効です。

[スケッチ線の設定]パネル

[厚さ]:薄いデバイス(ペンシル、ファインマーカー)を複製する場合は、低い値を使用します。大きな値は、ブラシやワックスなどのテクスチャを表示するのに適しています。さまざまな線の設定を試し、特定の線のスタイルによって異なる面白い結果も得られます。最良の結果を得るには、スケッチ線にはハッチ線とシャドウ線よりも高い値を使用します。

[線の歪み]:選択したラインのスタイルでさまざまな値を試し、最適な設定を行います。通常、ペンシルストレッチを複製するには、ブラシの場合よりも小さい歪みを使用しますが、いろいろと試すこともできます。

[線のオーバーストレッチ]を高い値に設定すると、ARCHICADの3Dウィンドウでは、線は線でない部分よりも長くなるので、うまく接続せずに互いに交差する線を描いたかのようになります。反対に、低い値に設定する(ゼロ未満)と、線が互いに接する前に切れてしまいます。

スケッチの[ハッチ線の設定]パネル

このパネルのコントロールは、レンダリング画像のハッチ線のプロパティを設定します。[基本設定]部分の[3Dベクトルハッチングを表示]チェックボックスがオフの場合は、ハッチ線は描かれず、このパネルで行った設定は一切無効となります。

[厚さ]、[線のオーバーストレッチ]、[線の歪み]のコントロールは、[スケッチ線の設定]パネルと同じ効果をもたらします。

[遠隔地を明確化]コントロールを高い値に設定すると、背景のハッチ線は前景のそれよりも薄く細くなります。これは、ハッチング表面を小さい角度から見た時には便利であり、また必要になることもある機能です。遠隔地を明確化しないと、ハッチ線が濃くなりすぎて、連続した暗い領域が形成されてしまいます。この設定は、[適用]チェックボックスをオンにした場合のみ有効となります。

スケッチの[シャドウ線]の設定パネル

このパネルのコントロールは、レンダリング画像のシャドウシェーディング線のプロパティを設定します。[基本設定]部分の[ベクトルシャドウを表示]チェックボックスがオフの場合は、シャドウ線は表示されず、このパネルで行った設定は一切無効となります。

[厚さ]、[線のオーバーストレッチ]、[線の歪み]のコントロールは、[スケッチ線の設定]パネルと同じ効果をもたらします。

[暗さ]は、影の透明度をコントロールします。低い値に設定すると、影の透明度が増します。

[間隔]は、シャドウ線の間隔を制御します。間隔を大きくすると、明るい影になります。

注記:[厚さ]、[暗さ]、[間隔]の効果は重複します。例えば、[厚さ]の値を高くし、[間隔]の値をそれほど高くしないと、[暗さ]の値を高くしたかのような、より暗い影となります。

スケッチの[背景]パネル

詳細は、「CineRenderの基本設定:背景パネル」を参照してください。