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ここでは透過(屈折率を含む)を定義できます。
透過を設定するには、カラー、明るさ、またはその両方のパラメータを使用します。50%グレーを使用するのと、白と50%明るさを使用するのは同じです。
カラーのパーセント + 透過のパーセント = 100%
表面カラー |
透過のパーセント |
結果 |
白い材質 |
0%透過 |
真っ白(100%白) |
白い材質 |
50%透過 |
グレー(50%白) |
白い材質 |
100%透過 |
色なし |
材質に色がある場合(カラーチャンネルの色)、透過度が上がるにつれて色は自動的に減少します。
ヒント:吸収を使用すると、よりよい結果が得られます(後述の「吸収」を参照)。
テクスチャを透過マップとしてロードできます。透過マップのピクセルが明るいほど、対応する材質領域の透過度が高くなります。透過テクスチャは写真のスライドと似ています。スライドの赤い部分は赤い光のみを通し、白い部分は全ての光を通します。黒い部分は、光をまったく通しません。
「カラーと明るさの値の定義」を参照してください。
透過屈折プリセット
屈折値を自動的に適用する屈折プリセットを選択します。これらは[反射]チャンネルの[フレネル]機能にあるものと同じプリセットです。
屈折
プリセットを使用しないときは、正確な屈折値を設定できます。
主な材質の屈折値
真空 1,00
空気 1,00
黒曜石 1,480 - 1,510
オニキス 1,486 - 1,658
アクリルガラス 1,491
ベンゼン 1,501
クラウンガラス 1,510
碧玉 1,540
めのう 1,544 - 1,553
アメジスト 1,544 - 1,553
琥珀 1,550
石英 1,550
砂糖 1,560
ダイヤモンド 2,417 - 2,419
春雨 3,999
光線が透過と屈折の特性を持つ閉じた材質にぶつかると(下の左端の図)、光線が曲がって屈折をシミュレートします。光線はオブジェクト内で曲がっていると想定されます。光線はオブジェクトのもう1つの面(出口側)に到達すると、実世界の現象と同じように曲がります。
ただし、オブジェクトが開いている場合、光線はオブジェクトの2番目の面にぶつかりません(下の中央の図)。このため、光線は曲がらない場合があり、屈折の効果は不確実になります。
このため、シーン内の全ての透過材質は必ず閉じてください(下の右側の図のように)。
窓で屈折を使用している場合(屈折パラメータが1以外)、ガラスを閉じる必要があります(つまり、窓ガラスの数を偶数にする必要があります)。(ARCHICADでは、3Dの生成速度を向上させるために、窓ガラスは厚みのない材質としてモデリングされます。)
[フレネル]オプションを有効にすると、フレネル反射効果(後述を参照)が有効になります。この効果により、材質を斜めから見たときに、自動的に透過が小さくなり、反射が大きくなります。これはガラスの一般的な性質であり、物理的にも正しい効果であるため、ガラスの場合には無効にしないでください。
[反射]チャンネルの[*透過*]設定を使用すると、反射特性(表面粗さなど)を細かく調整できます。
「*透過*」を参照してください。
放出鏡面反射
反射がガラスを通過して屈折後に材質にぶつかるとすぐに、2つのわずかに異なる反射、つまりガラスに入射したときの反射とガラスから出たときの反射のどちらかを計算できます。反射が1つの方が見た目が一番よいことがよくあります(実際にはあり得ない現象ですが)。この効果を表現するには、[放出鏡面反射]オプションを無効にします。
上:[放出鏡面反射]が有効、下:[放出鏡面反射]が無効
フレネル鏡面反射度
フレネル鏡面反射度は、透過と鏡面反射の値が視野角に依存する度合いを制御します。フレネル鏡面反射度が0%より大きい場合、視野角(カメラと材質の間の角度)が考慮されます。
目をガラス面に平行にして(つまり、視野角90度で)ガラスの実際の面を観察した場合、ガラス面はほとんど反射せずにほぼ全ての光が通過しているのに気付きます。ただし、視野角を狭くしてガラス面を見ると、周囲のものをかなり多く反射しているのがわかります。透過と鏡面反射の値は、視野角によって異なります。
フレネルオプションは、この現象をシミュレートします。
[フレネル鏡面反射度]の設定値:高(左側)、低(右側)
例えば、フレネル鏡面反射度を100%に設定したとして、RGB値80%、80%、80%で透過を設定した場合、視野角が90度のときに材質は80%透過、0%反射になります。視野角が非常に小さい場合、材質はほぼ0%透過、80%反射になります。透過に加えて反射値を入力した場合、反射値が角度依存の反射に加算されます。
フレネル鏡面反射度が0%より大きい場合、視野角に関係なく透過と反射の値が使用されます。
通常、材質がカラーの場合、透明度を上げるとカラーは自動的に減少します。これにより、リアルな効果が得られます。ただし、これが自動的に行われないようにしたい場合は、[加算]オプションを有効にします。
一般的には、このオプションは無効にした方が、よりリアルなレンダリング結果が得られます。
光は透過媒体に入射すると、弱まってカラーが1度程度変わります(ガラスは完全に無色であることは非常にまれです)。通過する材質が厚いほど、光は弱まります(ガラスは完全に透過ではありません)。このような効果は次の2つのパラメータを使用して再現できます。以下では、カラーは透過チャンネルの上部にある[カラー]パラメータを示しています。
ヒント:吸収は閉じた体積で最適に機能することに注意してください。そうでない場合、体積に穴があると間違った計算結果になる可能性があります。
吸収色
吸収色は、「光線」が[吸収距離]パラメータで定義された距離を移動したときにカラーに乗算される色です。
このため、透過チャンネルには次の2つのカラーがあります。
•[カラー]:非常に薄いオブジェクトに表示される色(例:窓ガラスや薄い水膜)。
•[吸収色]:重量感のあるオブジェクトで想定される色。
ガラスを作成する場合は、通常[カラー]を白に設定します。
吸収距離
この設定を使用して、[吸収色]が[カラー]と置き換わるまでに光線が移動する必要がある距離を定義します。この値が小さいほど、薄いガラスであっても、吸収色はより強くなります。値0では吸収は完全にオフになります。
[ぼけた屈折]、[最小サンプル数]、[最大サンプル数]、および[計算精度]を使用して、透過をぼかすことができます。0%は、ボケがないことを意味します。ボケを大きくするには、値を大きくします。
注記:標準レンダリングモードでのみ有効です。
これらのパラメータは、[ぼけた屈折]に0%を超える値が設定されている場合のみ入力できます。
プログラムは、ボケ効果を作成するためにサンプルを使用しますが、同じ距離でサンプルをとるのではなく、最も必要な場所にサンプルを集中させます。[最大サンプル数]は、重要度の高い領域で使用するサンプル数を定義します。[最小サンプル数]は、重要度の低い領域で使用するサンプル数を定義します。
[最小サンプル数]、[最大サンプル数]、またはその両方を増やすと、ボケの品質が向上しますが、レンダリング時間が長くなります。
注記:標準レンダリングモードでのみ有効です。
このパラメータは、[ぼけた屈折]を0%より大きい値に設定している場合のみ入力できます。
[計算精度]値を大きくすると、より正確なボケが得られますが、レンダリング時間も長くなります。
シェーディングポイントあたりのサンプル数を制御することで、ボケ効果の精度が変わります。重要な領域では、値を100%にして、[最大サンプル数]で定義した最大サンプル数を使用します。値を小さくするほど、使用されるサンプル数は少なくなります。